2017.03.21 Tuesday 10:15

「紫」2017年3月号・2

「紫」2017年3月号

 

大道無門(「紫」3月号抄)    山崎十生 選・評


見ゆる危険見えざる危険枇杷の花     伊藤伯子(山紫集)

 現今の世の中には、見えないものに畏怖感を覚える。

もちろん見える危険も、それなりにあることはある。

枇杷の花は、そういう作者の感得した危険さを十二分に

象徴している。生きている限り精神的な面での不安はあるが、

生を謳歌することも忘れてはならない。

 

不自由と思へば踠く雪螢         浅野都(無門集)

 

融通のきかない山も眠るかな       依田壽子(無門集) 

 私も融通のきかない人間であるかもしれない。

自然界に眼を向ければ、冬の山の蕭条たる姿が見えてくる。

そういう厳しい山の景を増幅するために〈融通のきかない〉と形容したのである。

別に人格とか人間性を言っているのではない。自然への優しい心根を感ずる。

 

これよりは心理戦です息白し       渡辺智恵(山紫集)

はらわたに盈ち来る潮開戦日       若林波留美(龍門集)


               * * *

 

龍門集

案の定還らぬ谺レノンの忌        鈴木紀子

雪が降る人であること恥づかしき     森壽賀子

 

無門集

去年今年生命ひとつを持ち歩く      稲葉明日香

 

山紫集

今朝こそは捲土重来霜柱         篠原葦

視野広くせむと十年日記買ふ       鈴木千鶴

ピアノより離れぬ指よ細雪        豊永裕美

転がりたい切羽詰った八ツ頭       長島千恵子

かう見えて肝の据はりし冬木立      猪熊みね子

縋りたきものを求めて雪降れり      大塚美代子

十二月八日の朝の生たまご        小林敏子

 

新星集

馬すでに観音となり空つ風        原田寿美

風立ちてささやき千里冬木立       若山一美

誰も彼も知ってる秘密蜜柑むく      金子和美

 

 

 

(「紫」2017年3月号・NO.874号より)

 

冬木立

 

 

 


2017.03.17 Friday 20:24

第14回埼玉県現代俳句大賞

第14回埼玉県現代俳句大賞

 

 平成29年3月12日(日)埼玉県現代俳句協会の定期総会が開かれ、

第14回埼玉県現代俳句大賞(埼玉県現代俳句協会)が発表されました。

本年度の正賞は「紫」無門集同人の山加津子さんが授賞されました。

 

素顔のまま   山加津子

 

花疲れ水を見すぎてしまひけり

息かける縁なしめがね春憂

話したくなる距離かえるの目借時

性別は問はない水草あをあをと

俎に眼のある魚みどりの日

水銀のまるく零れる日雷

新樹光メトロノームの動きだす

わたくしの浮力わずかに夏木立

夫婦別姓赤くならないプチトマト

星形のしるしをメモに南風

草いきれ答えられずにごめんなさい

マネキンの素顔やはらか夜の霧

充電のプラグ差し込む望の月

天高し象に重たき鼻と夢

定位置に机を戻す神無月

 

花くず


2017.03.14 Tuesday 10:17

紫さいたま句会

紫さいたま句会

 

「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。 
毎月第二土曜日、武蔵浦和コミュニティーセンター
(JR埼京線武蔵浦和駅西口徒歩二分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。

 

4月は紫全国大会のためさいたま句会は休会です。
次回のさいたま句会は5月13日(土)の予定です。

 


山崎十生主宰選

天 冴返る練歯磨きにつのが立つ      伯子
地 授かりし虚空踏ませじいぬふぐり    波留美
人 片時も川は許さじ空襲忌        波留美  
 

秀逸

最上のベールとしての花吹雪        智恵

飼ひ慣ら寂しさひとつ雉子の笛       弘恵

ありのままの自分が見えてくる日永     治子

どうしたもこうしたも原発忌        友光

月朧ペーパーナイフ探しをり        加津子

 

 

若林波留美副主宰選

天 聞こえない浪の音する雛納め      美智子
地 被災地といつまで呼ぶな蘖ゆる     十生
 

 

鈴木紀子参与選

天 月朧ペーパーナイフ探しをり      加津子
地 池に散る桜水面をへこませて      智恵

 

(さいたま句会 2016.3.11)

 

いぬふぐり

 

 


2017.03.10 Friday 10:16

紫川口句会

紫川口句会

 

「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。 
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は4月2日(日)です。

山崎十生主宰選

天 この海はあの海なんだ原発忌      友光
地 自由でも勝手でもないつくしんぼ    壽子
人 暗殺も拉致も今なほ霾晦(よなぐもり)    洋子

 

秀逸

まだともう表裏一体冴え返る        智恵

白といふ意地をかさねし白木蓮       みずほ

落ちしとき椿に力こもりけり        ふさ江

止め時をつかみそこねて柳絮飛ぶ      ふじ子

赤ちゃんは眠っています春隣        まさる


若林波留美副主宰選

天 陽炎では包めぬ森の深さかな      壽賀子
地 桃の花職業欄の姫にマル        邦子

 

 

鈴木紀子参与選

 

天 かげろふの一級品の揺れ加減      まさる

地 自由でも勝手でもないつくしんぼ    壽子


(川口句会 2017.3.5)

 

 

辛夷の芽

 

 


2017.03.07 Tuesday 10:14

「紫」2017年3月号・1

「紫」2017年3月号 龍門集より

 

十二月八日斎戒木浴す       山崎十生
十二月八日蒼天奈落めく
十二月八日胃酸が多すぎる


をとこごを産みたる憂ひ馬肥ゆる  若林波留美 
水鳥は和(なご)める楕円夕まぐれ


パスカルのうようよしてる枯河原   渡辺まさる
邪宗門入れば曼珠沙華 ばかり

 

遠い木から揺れ出す十二月八日    鈴木紀子

語るほど語っていない虎落笛


ほろほろと夢の途中の初日影     関口晃代 

ほろほろと夢のつづきの初鏡

 

雪が降る人であること恥づかしき   森壽賀子
燃えつきて名もなき山も眠るかな 


(「紫」2017年3月号・NO.874号より)

 

線路

 

 

 

 

 

 


2017.03.03 Friday 10:31

第13回彩の国秩父俳句大会 作品募集のお知らせ

第13回彩の国秩父俳句大会作品募集

 

本大会は、埼玉県を代表する観光地で、

祭りと神の郷でもある「秩父」に集い、俳句を作り、

楽しむと共に、交流を深める俳句大会です。

俳句を愛好される方の応募並びに参加をお待ちしています。

*埼玉県芸術文化祭2017協賛事業

 

作品   2句1組、未発表作品に限る(前書き・ルビは不可)

     何組でも応募できます

 

投句料  1組につき千円、現金書留または郵便小為替

     必ず作品と同封のこと *投句料のないものは無効と致します

 

締切   2017年3月20日(火)必着

 

応募   所定の用紙または原稿用紙に、

     作品・住所・氏名・電話番号・大会への出欠を明記 

     (軽食をご用意する関係上、出欠の変更は速やかにご連絡ください)

 

宛先   〒332-0015

     埼玉県川口市川口5-11-33

     紫の会「第13回彩の国秩父俳句大会」係

 

発表   2017年5月27日(土)

     第13回彩の国秩父俳句大会席上

 

顕彰   埼玉県知事賞・秩父市長賞 ほか

     (一句高点制 同一人入賞の場合は上位のみ顕彰)

 

主催  第13回彩の国秩父俳句大会実行委員会・紫の会

 

 

 

*どなたでも応募できます。ふるってご応募ください。

 お問合せ 紫の会

 

昨年の様子はこちら

 

 

 昨年の入賞句から

 

姉の手は農具の一つ山笑う      鏑川太郎 
秩父嶺の影を鋤き込む耕耘機     人見 正
ひとりでは風になれない青芒     村木友光

 

岩淵喜代子

 

 

 

 

 


2017.02.28 Tuesday 07:38

句会のご案内

2017年3月の句会予定 

*予定は変更になる場合があります。
 はじめてのかたは事前に事務局までご確認をお願いします。

 

3月1日(水)       秩父むらさきの会*  
         午後1時 秩父市立芸術文化会館 

 

3月4日(土)   土曜句会*

        午前9時 東松山市・松山市民活動センター   

 

        窓の会    
           午後1時 サウスピア(武蔵浦和) (自主句会) 

 

3月5日(日)   紫川口句会* (紫本部例会)

          午後1時 川口市立西公民館

 

3月7日(火)  万年青の会  
          午後1時30分 川口市立前川南公民館
 

3月9日(木)     をまぎ句会* 
          午後1時 さいたま市尾間木公民館 


3月11日(土)  紫さいたま句会*
          午後1時 武蔵浦和コミュニティーセンターサウスピア

 

3月13日(月)  さくら草句会*
         午後1時 浦和パルコ10階

 

3月14日(火)   俳句を楽しむ会*   
          9時30分 川口市立西公民館

 

3月15日(水)   牧の会   
          午後1時 さいたま市尾間木公民館
 
        紫苑の会  
        午後1時30分 越谷市市民活動支援センター

 

3月18日(土)      ミューズ*
           午後1時 川口市立西公民館 ※会場注意 

         めぶき句会
         午後1時 さいたま市立桜木公民館
 

3月19日(日)    虹の会  
         午後1時 越谷市立北越谷公民館

 

3月21日(火)   句楽会*

         午後1時 川口市立西公民館 

 

3月22日(水)          月光の会*
         午前9時 川口リリア11階

 

3月23日(木)   句遊会
             午後1時 さいたま市立善前公民館

 

                          しらゆり俳句会* 
         午後1時30分 川口パレス3階

 

3月25日(土)    東京むらさきの会 
         午後1時30分 台東区社会教育センター

 

3月26日(日)      むらさき西句会* 
         午前9時 川口市立西公民館

 

その他      紫通信句会* 

          3月7日(火) 締切     作品5句(郵送)
         *今月から締切は第2火曜日に変更になります
       
*のついている句会の指導者は山崎十生主宰です
 「東京むらさき」以外の句会場はすべて埼玉県内です



お問合せ 紫の会

 

鴨

 

 

 

 


2017.02.24 Friday 07:41

現代俳句50則

関口比良男・現代俳句五十則 5

 

俳句を作ることは恋文を書くに似る。

たれか特定の読者層に訴えるためである。

 

ウェルカムライト

 

 

 

 

 


2017.02.21 Tuesday 07:42

俳句つれづれ

俳句つれづれ 第7回 「井上井月」

 

鳥海美智子

 

 井上井月(いのうえせいげつ)は文化5年(1822)

新潟県長岡に生まれ、明治20年(1887)2月16日

長野県伊那谷でなくなった。享年66才であった。

 

 「虱(しらみ)井月」「乞食井月」と呼ばれていた井月を

世に出したのは下島勲(1869〜1947)。生家は晩年まで

井月の面倒を見、井月没後、ちりぢりに埋もれた句を集めて

大正10年、没後34年目に『井月の句集』を刊行。

この書によって、井月は俳句史上注目すべき俳人となった。

 

 井月がはじめて伊那に来たのは、37才頃で約30年間、

野宿することもなく、誰かが手をさしのべた。

それは「姿は乞食、書はお公家さん」といわれるほどの

高潔な人柄で、見る目のある人びとは丁重にあつかった。

 

 井月の遺した俳諧雅俗伝には

 

○俳諧の詞は俗語を用ゆるといへども心は詩歌にも劣るまじと

 常に風雅に心懸くべし

○句の姿は水の流るる如くすらすらと安らかにあるべし

○木をねじ曲げたるようごつごつ作るべからず

○良き句をせんと思うふべからず

○只易やすと作るべし

 

 等、今日の私達にも見習う言葉が続く

 

 井月は芭蕉に心酔していた。

「翁の日」は芭蕉忌のことである。

 

我道の神とも拝(おが)め翁の日

明日しらぬ小春日和や翁の日

 

旅人と我名よばれん初しぐれ 芭蕉

旅人の我も数なり花ざかり  井月

 

芭蕉は「菰(こも)をかぶる」つまり乞食となることを

願望しながら亡くなったが、井月は実際に乞食となって

死をまっとうした。

 

 手元から日の暮れ行くや凧

 

 恋すてふ猫の影さす障子かな

 

 柳から出て行舟(ゆくふね)の早さかな

 

 手枕の児にちからなき団扇かな

 

 名月や院に召さるる白拍子

 

 程近くなればかたげる日傘かな

 

前に作った句であったが臨終の前に乞われて書いた

 

 何処(どこ)やらに鶴(たづ)の声聞く霞かな

 

(「紫」無門集同人)

 

障子

 

 

 

 

 


2017.02.17 Friday 20:32

平成29年度紫全国俳句大会のお知らせ

  平成29年度紫全国大会

 

日時 平成29年4月14日(金)

   正午(12時) 受付開始

 

会場 川口総合文化センター・リリア11階

   JR京浜東北線 川口駅西口 徒歩2分

 

日程 ・第64回紫賞授賞式

   ・全国俳句大会表彰

   ・平成28年度句集出版祝賀

  

    講評・土肥あき子先生(「絵空」同人)

       山崎十生(「紫」主宰)

       若林波留美(「紫」副主宰)

       鈴木紀子(「紫」参与)

       

   ・懇親パーティー

 

会費 5千円 

   (直前欠席の場合は一部負担をしていただく場合がございますので、

    出欠の変更がある場合は速やかにご連絡ください)

 

*昨年の様子はこちら

*俳句大会の投句は締め切りました

 

紫全国大会

 

 

 

 


<<new | 1 / 52pages | old>>
 
CALENDAR
NEW ENTRY
ARCHIVES
CATEGORY
COMMENT
PROFILE
MOBILE
LINK
RECOMMEND
SEARCH
OTHER

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.