2017.08.21 Monday 10:45

俳句つれづれ

俳句つれづれ 第13回 「連載を終えて」 

 

鳥海美智子

 

 一年間、私の拙文に目を通して頂き、ありがとうございました。

何事もそうですが一番勉強させて頂いたのは私です。

 

 俳句は生物(なまもの)です。

その時の時流によって花形役者が変わります。

しかし、その流れの中で、名句は残るのです。

 

 7月29日、彩の国ベガ俳句大会が川口リリアで開催され、

講師、宮坂静生先生が「魅力ある俳句」という題で

60年安保以後の俳句を体験的にお話し下さいました。

その内容が素晴らしく、年代と代表句だけを

当日の資料から紹介させて頂きます。

 

 昭和20年代 俳句の根源探求

 炎天の遠き帆やわかこころの帆  山口誓子

 

 昭和30年代 社会性俳句

 彎曲し火傷し爆心地のマラソン  金子兜太

 

 昭和40年代 伝統回帰

 一月の川一月の谷の中      飯田龍太

 

 60年安保以後

 軽快俳句の旗手

  空蝉となりたることをまだ知らず 鷹羽狩行

 

 言葉の本意探求 言霊への憧れ

  春の水とは濡れてゐるみづのこと 長谷川櫂

 

 口語調俳句の普及

  三月の甘納豆のうふふふふ    坪内稔典

 地貌探求 産土(土・水)の再発見
  都会俳句の漠然さへの反発
  霜夜なり胸の火のわが麤蝦夷(あらえみし) 佐藤鬼房
  榛(はん)の沖よりつながって馬肥瞽女(まごえごぜ) 齊藤美規
  逝く母を父が迎へて木の根明く  宮坂静生
  半殺*(はんごろし)とは深熊野の土用波  茨木和生

  *おはぎのこと

 

 アニミズム志向 自然と人間が一体となる

  長生きの朧のなかの目玉かな   金子兜太

  草枯れて地球あまねく日が当たり 大峯あきら

 

 3・11以後 満州・シベリア・戦没者・原発忌

  万里子、勝や黄砂となりて帰りしか  渡辺真帆

  双子なら同じ死に顔桃の花      照井翠

  除染とは地べた剥ぐことやませ来る  伊藤雅昭

  祈るべき天とおもえど天の病む    石牟礼道子

  脱皮するため吹き上がる水である   山十生

  

 以上、難しい事柄を易しい言葉で、時にはユーモアを交えて、

教えて下さいました。

 自分の気持ちを俳句にするのは一回限り、その時の精神を生かす。

素朴なことを直感する。存在者として、日常生活の中で感動を見つける。

体を動かして、自然に向かう。

 

 やはり名句を残すのは、日々の努力と思いました。

 

(「紫」無門集同人)

 

田んぼ


2017.08.18 Friday 10:42

「紫」2017年8月号・2

「紫」2017年8月号

 

大道無門(「紫」8月号抄)    山崎十生 選・評

懼れずに風が鯉幟をくぐる       渡辺智恵(無門集)

 五月の大空を鯉幟が泳いでいる平凡な光景に見える。だが、

一軒そう見えるが、じっくり読んでみると日常的な次元とは、

うって変わって主役が真逆なのである。鯉幟は、まるで大きな口を開け、

今にも人を飲み込みそうである。また、風が潜るという発想が見事。

 

 

鋸の歯を研ぐ父息を殺す蟇       大滝徳美(無門集)

 

 

めまとひの中にもリーダーらしきもの  後藤宣代(無門集)

 あのうっとおしさの象徴でもあるかのような焦螟の中にも

リーダーがいそうだという設定が詩的要素を高めている。

実際にリーダーがいるかも知れないという期待感を抱かせる。

俳諧精神を地で行っていて心を和ませてくれる働きを然り気なく

表出している。

 

 

薔薇の刺何も言はないから強(こは)い   浅野都(無門集)

 

 

マネキンの陽炎に濡れ並び立つ     白戸麻奈(山紫集)



               * * *

 

龍門集

憲法原典蓬(ほほ)けず永井隆の忌      若林波留美

燕一閃啖呵を切ってみたかった      鈴木紀子

 

 

無門集

さざ波の雲ひろげゆく花菖蒲       平田かほる

風鈴の機嫌に左右される肩        依田壽子

新しき波に抗ふ花筏           新井富江

雲の峰屈伸運動は苦手          小林邦子

 

山紫集

繋ぎし手を離し茅の輪を巡るかな     鈴木千鶴

竹の秋撓みも力となりにけり       土田淳孝

たふしたるグラスの水や薄暑光      伊藤伯子

胸のうち明かさず笑顔豆の花       猪熊みね子

難読の掛軸一幅更衣           大塚さち子

 

 

新星集(会員)

星屑の波間に降りて蛍烏賊        辻野喜久

​一切の責任を負ふ白い靴         一井千恵子

 

 

 

(「紫」2017年8月号・NO.879号より)

 

こいのぼり

 

 

 


2017.08.15 Tuesday 10:43

紫さいたま句会

紫さいたま句会

 

「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。 
毎月第二土曜日、武蔵浦和コミュニティーセンター
(JR埼京線武蔵浦和駅西口徒歩二分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。


次回のさいたま句会は9月9日(土)の予定です。

 


山崎十生主宰選

天 身を削いでそいで噴水高みへと     智恵
地 私とはわたしの記憶かき氷       浮葉
人 胆力のそなはってゐる守宮かな     壽賀子 
 

秀逸

  八月の芒は決して揺れません      まさる

  断層によろづの吐息夜の秋       伯子

  夕星のなかに忘れし捕虫網       紀子

 

 

若林波留美副主宰選

 

天 

地 

(後日アップします)

 

鈴木紀子参与選

天 八月の人差指は天を突く        まさる
地 私とはわたしの記憶かき氷       浮葉

 

(さいたま句会 2016.8.12)

 

野の花

 

 


2017.08.11 Friday 10:40

紫川口句会

「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。 
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は9月3日(日)です。

山崎十生主宰選

 

天 草取りの力加減は抜き加減       智恵
地 影の牛影の草喰む広島忌        ふさ江
人 カンナ暗し沖に密航船二隻       波留美

 

秀逸 

  羅針盤ぐるぐる原爆忌がふたつ     智恵 

  ぼうふりやプラマイゼロの終り方    のぼる

  簡単に人死ぬドラマ日雷        智恵

 

 

若林波留美副主宰選

 

天 影の牛影の草喰む広島忌        ふさ江

地 羅針盤ぐるぐる原爆忌がふたつ     智恵  

 

 

鈴木紀子参与選

 

天 冷蔵庫考えごとを今日もする        麻奈   

地 告白や桃のかたちに桃を剥く      みずほ


(川口句会 2017.8.6)

 

ひまわり

 

 


2017.08.08 Tuesday 10:41

「紫」2017年8月号・1

「紫」2017年8月号 龍門集より

 

 

いみじくも不撓不屈の遊糸かな     山崎十生
淡淡と人の死のこと更衣
風信子根を張るガラス瓶の中

焼跡の青空五月三日愛(は)し      若林波留美 
国立公文書館で憲法原典に感動

憲法原典繭の色帯ぶ和紙澄めり

子供の日ピカソの女哭いてゐる      渡辺まさる
青バナナかざせば空が青くなる

 

燕一閃啖呵を切ってみたかった      鈴木紀子

仏壇の奥麦秋の果てしなく


一族の主(あるじ)のように椎(しい)大樹   関口晃代 

風はみどりバラの眞紅を捧げましょう

 

産土のふところ深き青嵐         森壽賀子
甦る山河の記憶さくらんぼ

(「紫」2017年8月号・NO.879号より)

 

みかんの花

 

 

 

 

 

 


2017.08.04 Friday 10:39

第48回埼玉文学賞 作品募集のお知らせ

「彩の国 埼玉りそな銀行 第48回埼玉文学賞」では作品を募集しています。

俳句賞としては県内屈指の賞金額も魅力のひとつです。

 

県内在住・在勤者の場合は題材は自由ですが、県外者の場合は埼玉の事物、

風土、人間、歴史等埼玉との関わりをテーマにした作品であることが必要です。

 

俳句部門募集要項

 

・応募締切 平成29年8月31日(月)当日消印有効

・未発表作品20句

・別紙に、住所、氏名(本名)、年齢、職業、簡単な略歴・文学歴、

 電話番号を付記

・作品は返却されません。入賞作品の権利は埼玉新聞社に帰属します。

・他紙・誌への二重応募禁止

・賞金 30万円

・発表 平成29年10月下旬 埼玉新聞紙上掲載予定

 

・選者 金子兜太(「海程」主宰・現代俳句協会名誉会長)

    佐怒賀直美(「橘」主宰)

    山十生(「紫の会」主宰・埼玉県現代俳句協会会長)

 

宛先

〒331−8686

さいたま市北区吉野町2−282−3

埼玉新聞社編集局文化くらし部

「埼玉文学賞」俳句部門係

 

*俳句部門の他、小説・詩・短歌部門もあります

応募のお問合せは

埼玉新聞社編集局文化くらし部「埼玉文学賞」係

電話:048−653−9027

 

芙蓉

 


2017.08.01 Tuesday 23:06

俳句スパイスインターネット句会

俳句スパイスインターネット句会

俳スパネット・開設準備句会 第4回 結果発表

 

数字は得点

*はそのうちの特選数         

 

         

 

1 おくれ毛の吹かるるうなじ浴衣の子 すみれ

 

2 白玉と並んでいたる目玉かな マヨマヨネーズ 

 

3 極楽の隣りの扇子優先席 玉子

 

4 一面の心も揺らぐ向日葵や はるくん

 

5 この道が夜と夕焼との境 人見 **

 

6 付き合ひはまだまだ浅き熱帯夜 玉子 

 

7 爪ばかり健やかに伸ぶ晩夏光 すみれ 

 

8 それぞれの条あやなせる瀑布かな みずすまし 

 

9 空蝉の思いのままに転がりぬ Rin 

 

10 特別の嘘に浮いてる水澄し 蘭丸 

 

11  都合よく忘れる脳やかき氷 人見 

 

12  寡黙なる平和公園遠花火 玉子 

 

13  形代の気のない素振りは嘘である 蘭丸

 

14  人差指でページを送る夏燕 はるくん 

 

15  蜥蜴の子揺れる葉裏を見てをりぬ Rin 

 

16  素麺の薬味の中の目玉かな マヨマヨネーズ

 

17  どっちもといふ選択肢サクランボ すみれ 

 

18  風鈴の音もつるるや猫の耳 みずすまし

 

19  特大の堪忍袋ところてん 蘭丸 ***

 

20  沈黙を味方にしたり貝風鈴 人見 

 

21  かき氷頂上の目玉こちら見る  マヨマヨネーズ

                                            

22  まだ三分和解の兆しかき氷 玉子 

 

23  情けないところも好きよ夏の月 Rin 

 

24  皮を脱ぎ旬な筍ナイスボデイ すみれ

 

25  揺れながら乾くうれしさサンドレス 人見 

 

26  かきあげた髪すりぬけてゆく香水 蘭丸

 

27  青空の便りも届く深き海 はるくん 1

 

28  子鴨等のまはせし浮葉遊園地 Rin

 

29  凌霄の花咲きのぼる登らんと みずすまし

 

 

 

次回は8月22日締切、23日アップ予定

兼題は「銀座」

 

兼題ではありませんが、

暑さにうんざりしている頃と思います。

最低一句は、ぜひ「涼しい句」でお願いします。

 


2017.08.01 Tuesday 10:35

第27回彩の国ベガ俳句大会

去る7月29日、埼玉県川口市の川口総合文化センター・リリアにおいて、

埼玉県芸術文化祭2017協賛事業・第27回彩の国ベガ俳句大会が開催されました。

参加者は100名近くの盛会でした。

 

当日の公演は、松本から遠路、「岳」主宰で

現代俳句協会会長でもある宮坂静生氏においで頂きました。

 

「魅力ある俳句」について、

ご自身の俳句体験を経糸に、

戦後俳句の大きな流れを緯糸に、

具体的な例句も交えてのご講演は、

時に笑いも交えて大変わかりやすく、

あっという間に時間が過ぎてしまいました。

時間が許せばもっともっと教えていただきたい、

という思いに会場は満たされていました。

 

宮坂静生

ご講演の宮坂静生先生

 

 

 

*兼題入賞作品

 

埼玉県知事賞

脱いでも脱いでも噴水のままである   森壽賀子(紫)

 

埼玉県教育委員会教育長賞

風光る子に初めての背番号       出口良人

 

さいたま芸術文化祭実行委員会会長賞

花は葉にどの夕暮れを歩こうか     鈴木紀子(紫)

 

さいたま芸術文化祭実行委員会奨励賞

チューリップ中には入っていいですか  森田重子

啓蟄や地球に刺さるビルの数      宮本豊子

戦争は抜き足で来るはたた神      小金平佳代(紫)

 

埼玉県文化団体連合会会長賞

わたくしを少し抜け出すサングラス   小林敏子(紫)

 

川口総合文化センター・リリア館長賞

行間に水打ってより逢ひに行く     山田都詩(紫)

 

埼玉県現代俳句協会会長賞

鉛筆で画く風の音聖五月        稲葉明日香(紫)

 

埼玉県俳句連盟会長賞

片蔭を引っぱって行くトレーラー    柏木晃

 

ベガ

 

*当日席題入賞作品より

(席題「動」)

 

神代から動かぬ巨石雲の峰    鳥海美智子(紫)

動いても動かなくても汗をかく  盒欣子(紫)

賛美歌に仮死のぶんぶん動き出す 寺内佶

一村のこぞりて動く祭囃子    小山八寿子

夕蟬は海鳴りに似て闇動く    越川ミトミ

炎昼や火焔に坐せる不動尊    出口良人

動揺を隠し通せぬサングラス   吉野日出美(紫)

 

 

次回第28回ベガ俳句大会は、

2018年7月29日(日)、同会場での予定です。

会派を越えて俳句に触れ合う貴重な一日です。

来年もまた多くの方のご参加をお待ちしています。

 

 

 

 


2017.07.28 Friday 11:24

句会のご案内

2017年8月の句会予定 

*予定は変更になる場合があります。
 はじめてのかたは事前に事務局までご確認をお願いします。

 

8月1日(火)  万年青の会  
          午後1時30分 川口市立前川南公民館


8月2日(水)       秩父むらさきの会*  
         午後1時 秩父市 歴史文化伝承館

 

8月5日(土)   土曜句会*

        午前9時 東松山市・松山市民活動センター   

 

        窓の会    
           午後1時 サウスピア(武蔵浦和) (自主句会) 

 

8月8日(火)   句楽会*

         午後1時 川口市立西公民館

 

8月6日(日)   紫川口句会* (紫本部例会)

          午後1時 川口市立西公民館

 

8月10日(木)     をまぎ句会* 
          午後1時 さいたま市尾間木公民館 


8月12日(土)  紫さいたま句会*
        午後1時 武蔵浦和コミュニティーセンターサウスピア

 

8月13日(日)  さくら草句会*
         午後1時 浦和パルコ10階

 

8月16日(水)   牧の会    
          午後1時 さいたま市尾間木公民館
                      
        紫苑の会  
        午後1時30分 越谷市市民活動支援センター

 

8月19日(土)      ミューズ*
           午後1時 川口市立幸栄公民館 

         めぶき句会
         午後1時 さいたま市立桜木公民館
 

8月20日(日)      虹の会  
         午後1時 越谷市立北越谷公民館

 

8月23日(水)          月光の会*
         午前9時 川口リリア11階

 

8月24日(木)   句遊会
             午後1時 さいたま市立善前公民館

 

                          しらゆり俳句会* 
         午後1時30分 川口パレス3階

 

8月27日(日)      むらさき西句会* 
         午前9時 川口市立西公民館

 

その他      紫通信句会* 

          8月8日(火) 締切     作品5句(郵送)
         *締切は毎月第2火曜日です
       
*のついている句会の指導者は山崎十生主宰です
 「東京むらさき」以外の句会場はすべて埼玉県内です



お問合せ 紫の会

 

すいか

 

 


2017.07.26 Wednesday 11:23

俳句スパイスインターネット句会

俳句スパイスインターネット句会

俳スパネット・開設準備句会 第4回

 

選句は5句選で、うち特選一句お願いします。

その他選評・感想・質問・意見などご自由にお書き下さい。

 

最下段の「 Add a coment: 」 より

name:    にネット俳号

commentos: に句番号と句

    ↓

「コメント送信」をクリック

         

 

1 おくれ毛の吹かるるうなじ浴衣の子

 

2 白玉と並んでいたる目玉かな 

 

3 極楽の隣りの扇子優先席

 

4 一面の心も揺らぐ向日葵や

 

5 この道が夜と夕焼との境

 

6 付き合ひはまだまだ浅き熱帯夜

 

7 爪ばかり健やかに伸ぶ晩夏光

 

8 それぞれの条あやなせる瀑布かな

 

9 空蝉の思いのままに転がりぬ

 

10 特別の嘘に浮いてる水澄し

 

11  都合よく忘れる脳やかき氷

 

12  寡黙なる平和公園遠花火

 

13  形代の気のない素振りは嘘である

 

14  人差指でページを送る夏燕

 

15  蜥蜴の子揺れる葉裏を見てをりぬ

 

16  素麺の薬味の中の目玉かな 

 

17  どっちもといふ選択肢サクランボ

 

18  風鈴の音もつるるや猫の耳

 

19  特大の堪忍袋ところてん

 

20  沈黙を味方にしたり貝風鈴

 

21  かき氷頂上の目玉こちら見る 

                                            

22  まだ三分和解の兆しかき氷

 

23  情けないところも好きよ夏の月

 

24  皮を脱ぎ旬な筍ナイスボデイ

 

25  揺れながら乾くうれしさサンドレス

 

26  かきあげた髪すりぬけてゆく香水

 

27  青空の便りも届く深き海

 

28  子鴨等のまはせし浮葉遊園地

 

29  凌霄の花咲きのぼる登らんと

 

 


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