2017.02.24 Friday 07:41

現代俳句50則

関口比良男・現代俳句五十則 5

 

俳句を作ることは恋文を書くに似る。

たれか特定の読者層に訴えるためである。

 

ウェルカムライト

 

 

 

 

 


2017.02.21 Tuesday 07:42

俳句つれづれ

俳句つれづれ 第7回 「井上井月」

 

鳥海美智子

 

 井上井月(いのうえせいげつ)は文化5年(1822)

新潟県長岡に生まれ、明治20年(1887)2月16日

長野県伊那谷でなくなった。享年66才であった。

 

 「虱(しらみ)井月」「乞食井月」と呼ばれていた井月を

世に出したのは下島勲(1869〜1947)。生家は晩年まで

井月の面倒を見、井月没後、ちりぢりに埋もれた句を集めて

大正10年、没後34年目に『井月の句集』を刊行。

この書によって、井月は俳句史上注目すべき俳人となった。

 

 井月がはじめて伊那に来たのは、37才頃で約30年間、

野宿することもなく、誰かが手をさしのべた。

それは「姿は乞食、書はお公家さん」といわれるほどの

高潔な人柄で、見る目のある人びとは丁重にあつかった。

 

 井月の遺した俳諧雅俗伝には

 

○俳諧の詞は俗語を用ゆるといへども心は詩歌にも劣るまじと

 常に風雅に心懸くべし

○句の姿は水の流るる如くすらすらと安らかにあるべし

○木をねじ曲げたるようごつごつ作るべからず

○良き句をせんと思うふべからず

○只易やすと作るべし

 

 等、今日の私達にも見習う言葉が続く

 

 井月は芭蕉に心酔していた。

「翁の日」は芭蕉忌のことである。

 

我道の神とも拝(おが)め翁の日

明日しらぬ小春日和や翁の日

 

旅人と我名よばれん初しぐれ 芭蕉

旅人の我も数なり花ざかり  井月

 

芭蕉は「菰(こも)をかぶる」つまり乞食となることを

願望しながら亡くなったが、井月は実際に乞食となって

死をまっとうした。

 

 手元から日の暮れ行くや凧

 

 恋すてふ猫の影さす障子かな

 

 柳から出て行舟(ゆくふね)の早さかな

 

 手枕の児にちからなき団扇かな

 

 名月や院に召さるる白拍子

 

 程近くなればかたげる日傘かな

 

前に作った句であったが臨終の前に乞われて書いた

 

 何処(どこ)やらに鶴(たづ)の声聞く霞かな

 

(「紫」無門集同人)

 

障子

 

 

 

 

 


2017.02.17 Friday 20:32

平成29年度紫全国俳句大会のお知らせ

  平成29年度紫全国大会

 

日時 平成29年4月14日(金)

   正午(12時) 受付開始

 

会場 川口総合文化センター・リリア11階

   JR京浜東北線 川口駅西口 徒歩2分

 

日程 ・第64回紫賞授賞式

   ・全国俳句大会表彰

   ・平成28年度句集出版祝賀

  

    講評・土肥あき子先生(「絵空」同人)

       山崎十生(「紫」主宰)

       若林波留美(「紫」副主宰)

       鈴木紀子(「紫」参与)

       

   ・懇親パーティー

 

会費 5千円 

   (直前欠席の場合は一部負担をしていただく場合がございますので、

    出欠の変更がある場合は速やかにご連絡ください)

 

*昨年の様子はこちら

*俳句大会の投句は締め切りました

 

紫全国大会

 

 

 

 


2017.02.14 Tuesday 07:36

紫さいたま句会

「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。 
毎月第二土曜日、武蔵浦和コミュニティーセンター
(JR埼京線武蔵浦和駅西口徒歩二分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。


次回のさいたま句会は3月11日(土)の予定です。

 


山崎十生主宰選

天 落椿只管打坐とはおそろしき      壽賀子
地 うなぞこにとどく春光貝躄(ゐざ)る     波留美
人 踏ん切りがつかない窓辺ぼたん雪    都    

 

若林波留美副主宰選

天 糸偏はおほかた怖し冴返る       十生
地 静寂といふ修羅もある枯木星      紀子
 

 

鈴木紀子参与選

天 無防備である筈はない寒桜       治子
地 修羅いくつ飲み込みしかな雪解川    壽賀子

 

(さいたま句会 2016.2.10)

 

落椿

 

 


2017.02.10 Friday 07:36

紫川口句会

「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。 
毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で
午後1時から4時30分に開催しています。
各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。
次回は3月5日(日)です。

山崎十生主宰選

天 枯野原地面の下の鬩ぎ合ひ       智恵
地 やはらかき拒絶と許容白障子      まさる
人 外へとはどこまでのこと鬼やらひ    紀子 


若林波留美副主宰選

天 三分の一に本音の雪解川        友光
地 白梅や懐ふかき美術館         壽賀子

 

 

鈴木紀子参与選

 

天 日脚伸ぶ鮫がゆっくり泳いでる     邦子

地 それぞれの一つの強さ薄氷       とし子


(川口句会 2017.2.5)

 

白梅

 

 


2017.02.07 Tuesday 20:05

「紫」2017年2月号・2

大道無門(「紫」2月号抄)    山崎十生 選・評


埼玉の川の面積天高し          渡辺まさる(龍門集)

 埼玉県内を流れる川の面積は149平方キロメートルで日本一である。

「水の国」と称されている所以である。散文調ならば「埼玉の川の面積

日本一」なのだが詩的昇華を遂げるために〈天高し〉という季語を

配したわけである。その辺の微妙な技巧が輝いている作品である。

 

空が震へ冬の三日月あらはなり      真幸晶(山紫集)

 〈空が震へ〉には、単なる自然現象の感覚的な捉え方だけではない。

「空震」と云う語があり「火山の爆発などによる空気の振動」という

意味合いもある。それに近い内容、空が震えることによって大気が、

どんどん美しくなり冬の繊月が顕わになるという捉え方が素晴らしい。 

 

凝らせば血潮はみどり冬立ちぬ      若林波留美(龍門集) 

 

一筆を認む獅子座流星群         浅野都(無門集)

痛点をさぐりあてたる流れ星       鈴木紀子(龍門集)


               * * *

無門集

失敗を重ねつ筋を通す雪         依田壽子

人間の無駄なところや星月夜       新井富江

相席の予約小春の海とせり        大滝徳美 
 

山紫集
新蕎麦や四人閑女の絵画展        篠田日織

冬暖か誰かが誰かを愛してる       田邊則子

鎮もりし仏間の煙冬障子         土田淳孝

目配りと気くばりのあり神の旅      戸田千種

歯の裏を舌でなぞりてをれば冬      豊永裕美

わたし終いに余裕綽々鰯雲        村木友光

珈琲のおかわりを待つ時雨かな      秋山幸子

霜柱踏みしめながら愛でている      かみのみずほ

穴まどひ関わり合ふはこれつきり     後藤宣代

 

新星集

猫のため耐震の家小六月         米本泰子

 

(「紫」2017年2月号・NO.873号より)

 

霜柱

 

 

 


2017.02.03 Friday 19:53

「紫」2017年2月号・1

龍門集より

 

八百万の神のひとつの木の実かな     山崎十生
澄むこともなく転げたる木の実独楽
相寄らず離れず木の実独楽無心


土塊(つちくれ)と根のあらがひや馬肥ゆる   若林波留美 
敬礼は視野を塞がず鵙日和


埼玉の川の面積天高し           渡辺まさる
グーよりもチョキを出します秋の空

 

月のシャワーもぬけの殻となれるまで   鈴木紀子

痛点をさぐりあてたる流れ星


歳月の落葉もつとも鮮やかに       関口晃代 

しきりに落葉かの一茶現れる

 

底知れぬものを抱へし白障子       森壽賀子
にんげんの底抜けるまで日向ぼこ 


(「紫」2017年2月号・NO.873号より)

 

 

ビッグタートル

 

 

 

 

 


2017.01.31 Tuesday 10:16

句会のご案内

JUGEMテーマ:俳句

2017年2月の句会予定 

*予定は変更になる場合があります。
 はじめてのかたは事前に事務局までご確認をお願いします。

 

2月1日(水)       秩父むらさきの会*  
         午後1時 秩父市立芸術文化会館 

 

2月4日(土)   土曜句会*

        午前9時 東松山市・松山市民活動センター   

 

        窓の会    
           午後1時 サウスピア(武蔵浦和) (自主句会) 

 

2月5日(日)   紫川口句会* (紫本部例会)

          午後1時 川口市立西公民館

 

2月7日(火)  万年青の会  
          午後1時30分 川口市立前川南公民館
 

2月9日(木)     をまぎ句会* 
          午後1時 さいたま市尾間木公民館 


2月10日(金)  紫さいたま句会* 曜日注意!!
          午後1時 武蔵浦和コミュニティーセンターサウスピア

 

2月13日(月)  さくら草句会*
         午後1時 浦和パルコ10階

 

2月14日(火)   俳句を楽しむ会*   
          9時30分 川口市立西公民館

 

2月15日(水)   牧の会   
          午後1時 さいたま市尾間木公民館
 
        紫苑の会  
        午後1時30分 越谷市市民活動支援センター

 

2月18日(土)      ミューズ*
           午後1時 川口市立栄町公民館 

         めぶき句会
         午後1時 さいたま市立大宮中部公民館
 

2月19日(日)    虹の会  
         午後1時 越谷市立北越谷公民館

 

2月21日(火)   句楽会*

         午後1時 川口市立西公民館 

 

2月22日(水)          月光の会*
         午前9時 川口リリア11階

 

2月23日(木)   句遊会
             午後1時 さいたま市立善前公民館

 

                          しらゆり俳句会* 
         午後1時30分 川口パレス3階

 

2月25日(土)    東京むらさきの会 
         午後1時30分 台東区社会教育センター

 

2月26日(日)      むらさき西句会* 
         午前9時 川口市立西公民館

 

その他      紫通信句会*      
         1月10日(金) 締切     作品5句(郵送)

       
*のついている句会の指導者は山崎十生主宰です
 「東京むらさき」以外の句会場はすべて埼玉県内です



お問合せ 紫の会

 

雪

 

 

 

 


2017.01.27 Friday 10:15

現代俳句50則

関口比良男・現代俳句五十則 5

 

俳句を作ることは恋文を書くに似る。

たれか特定の読者層に訴えるためである。

 

雪

 

 

 

 

 


2017.01.24 Tuesday 10:14

俳句つれづれ

俳句つれづれ 第6回 「金子兜太」

 

鳥海美智子

 

 水脈(みお)の果て炎天の墓碑を置きて去る

 

 銀行員等(ら)朝から蛍光す烏賊のごとく

 

 湾曲し火傷し爆心地のマラソン

 

 手術後の医師白鳥となる夜の丘

 

 どれも口美し晩夏のジャズ一団

 

 三日月がめそめそといる米の飯

 

 人体冷えて東北白い花盛り

 

 暗黒や関東平野に火事一つ

 

 梅咲いて庭中(にわじゅう)に青鮫が来ている

 

 冬眠の蝮の他は寝息なし

 

 平成28年の流行語大賞は「神ってる」であった。

プロ野球広島カープの事らしいが、私が最初に浮かんだのは

「金子兜太」である。兜太ほど「神ってる」人はいない。

それも高いところに祀られている神ではなく、

野山を駆け巡り庶民の目線で平和を願う、人間くさく、

肉感的な日本古来の神である。

「海程」同人安西篤が兜太の魅力を具体的に説明しているので

それを引用する。

 

 『知性や人柄というよりは感受性や気分、風土の面白さに向かう。

  むしろ兜太自身が人間を面白がっている面が多分にある。

  指導するというより楽しんでいる。兜太の指導する句会や

  教室が常に活気があり楽しい雰囲気に包まれている理由は

  そこにある。

   歌人の佐佐木幸綱は、その名手ぶりの秘密を

  「頭脳ではなく〈肉体〉で認識し、思考している感じが

   こちらにびんびんと伝わって来る」という。』

 

 「頭脳」でなく「肉体」で認識し、思考している事が私には

「神ってる」と思えるのかも知れないが、言葉では語り尽くせない

「神がかり」的なものを兜太の俳句・講演・対談から感じる。

 

(「紫」無門集同人)

 

上棟

 

 

 

 

 


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